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ガーデン・エクステリア情報のWebメディア「ガーデンス トーリー」にクラピアの記事を掲載しました。

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ガーデニングは大好きだけど、草取りはイヤ。というのは誰もが思うところ。そんな方におすすめの日本生まれのグラウンドカバープランツ「クラピア」。柔らかな緑の絨毯を芝生の10倍の速さで形成し、年に2回の刈り込みで美しさを維持し、雑草が生えるのを防いでくれます。しかも、その能力は雑草対策だけでなく、超多機能。世界も注目する「クラピア」をご紹介します。

雑草大国”日本で除草剤の研究者が見いだした植物

気温が高まるにつれ、抜いても抜いても生えてくる雑草。庭の草取りにお悩みの方は少なくありません。それもそのはず。日本は世界トップクラスの雑草大国なのです。高温多湿の日本の気候は植物の生育に適しており、世界のなかでも群を抜いて植物の種類が豊富で、雑草の種類もまた多種多様です。ゆえに防除の研究も熱心に行われ、日本の除草剤は稲作、畑作、ゴルフ場、家庭用などニーズに合わせてきめ細かく対応した製品が開発されてきました。しかし、雑草研究の第一人者で、除草剤の研究者であった故倉持仁志氏がその晩年、心血を注ぎ研究・開発したのは、薬品ではなく植物。それがクマツヅラ科イワダレソウ属の「クラピア」です。地面を這って伸びる日本生まれのこの植物は、雑草や高温、土壌流出、CO2、水不足など、さまざまな課題を解決する救世主として今、世界で注目を浴びています。

草で草を制す。永続的で経済的かつ美しい雑草対策「クラピア」

一面花を楽しむなら刈らずに左のように、春夏の間月1回刈ると芝生のような緑が広がる。

「クラピア」は、倉持氏が与那国島で偶然見つけたイワダレソウの在来種が元になっています。雑草対策の依頼を受けて足を運んだ与那国島の海岸で、緑のカーペットのように美しく広がるその草に、雑草研究の第一人者の直感がはたらきました。草丈低く密に茂り、引き抜こうとしても容易に抜けず、潮風にも耐える丈夫なイワダレソウに芝生の代替性を感じた倉持氏は、教鞭をとる宇都宮大学へイワダレソウを持ち帰り栽培。そして選抜を繰り返し、10年の歳月をかけて南国生まれのイワダレソウに耐寒性(耐寒温度−10℃)を持たせることに成功。そうして誕生したのが「クラピア」です。クラピアは匍匐性で小さな丸い葉を緻密に展開するため、ほかの草のタネが発芽する隙を与えません。また、多年草で毎年、緑の葉を展開するためその効果は永続的。サスティナブルでリーズナブルかつ美しい雑草対策です。

芝生よりローメンテナンスで10倍早く成長する「クラピア」

地面を這うように伸びて、緑のカーペットを形成してくれる植物のことをグラウンドカバープランツといいます。その代表的なものが芝生。よく手入れされた芝生はまさに緑の絨毯のようで美しく、雑草の抑制効果もあります。ただし、美しい芝生には丁寧な管理が欠かせません。夏は2週間に1回程度の刈り込みが必要ですし、目土(めつち)やエアレーション、水やりといったメンテナンスも必須。時間的にも体力的にも余裕がある方には芝生はおすすめです。でも、初心者や忙しい方も緑の絨毯をあきらめる必要はありません。クラピアなら誰でも無理なくグリーンカーペットを維持できます。

クラピアは生育旺盛で一般的な高麗芝の約10倍の速さで地面を覆います。1㎡あたり4苗(3号ポット)を植えた場合、完全に地面を覆うまでに要する期間は2カ月程度。適度な踏圧に耐え、踏まれることで、より緻密なマット状になり雑草の侵入を防ぎます。クラピアの葉は丸くて柔らかいので、裸足での利用やペットのいる庭にもおすすめです。活着後は地中深く根を張っているため、地植えでは2週間雨が降らなくても水切れの心配はありません。刈り込みの回数は多ければ多いほど草丈は低く葉は密になりますが、生育が旺盛になる梅雨時と秋の2回でも十分きれいに保てます。

かわいい花もクラピアの魅力。野原風の育て方も素敵

Instagramでクラピアの成長の様子を紹介している supershfさんの投稿より。

クラピアは多年草で、4月半ばから翌年1月くらいまで緑のカーペットを維持します(関東以西)。2~3月は休眠しますが、4月に入り気温が上がってくると再び芽吹き始めます。5月から9月くらいまで繰り返し咲く白や淡いピンク色の小さな花もその魅力。1年に1回程度の刈り込みでも草丈は20cm程度でとどまり、花がふわふわと咲く素朴な野原風も素敵です。

雑草対策だけじゃない「クラピア」 のすごい実力

1. 最大差24.4℃! 夏の地表温度を下げる効果

気温が高く乾燥する地域であるアメリカ・カリフォルニアでもクラピアが一面に広がり、生き生きと育っています。

クラピアが注目される理由は、雑草対策としての有用性だけではありません。クラピアは元々、熱帯雨林気候に自生するイワダレソウが元になっており、真夏の過酷な環境下や屋上など高温になる場所でも旺盛に生育します。そして、葉の気孔から水分を放出する蒸散作用によって表面温度が下がるため、過度な高温化を防ぐ効果があります。ある実験では真夏のコンクリート表面温度が60℃近くにまで達した際、クラピア植栽面の地表温度は30℃台にとどまったという報告があります。熱せられた地面は赤外放射という熱を発し、体感気温を著しく上げてしまうほか、熱帯夜の原因にもなります。雑草対策として地面をコンクリートで固めてしまうケースがありますが、夏の暮らしの快適度を考えれば、クラピアを試してみる価値は大いにありそうです。

2. 1.5mの根っこで土留め効果を発揮

斜面地を覆い育つことで土留めの効果が。

クラピアの地上の草丈は最大でも20cmほどですが、根はなんと1.5m近くも深く地中に伸びます(土質にもよります)。倉持氏が行った実験では、この根が土をしっかりつかむことにより、74mm/hの豪雨時にもクラピア植栽帯はほとんど土が流れ出ないことが判明。災害被害の軽減という観点からも注目され、傾斜地や法面などの土留めとしても活用されています。また、地中深くまで根が伸びるため、ほかの庭の草花と地中の養分の取り合いが発生しないのも庭づくりを楽しむ人にとっては魅力です。例えば、バラを植栽する際の植え穴は深さ50cm程度、高木類で深根型と呼ばれるタイプでも100cm程度の深さを確保すれば育つとされており、地上部の高さに反して深く根を張るクラピアが、いかにユニークな生態を持つ植物かが分かります。この地中深く張る根は土中に空気や水の通り道を作り、土壌環境を健全に保つことも期待できます。

3. CO2吸収・固定能力が高い

植物は二酸化炭素を吸収して酸素を排出していますが、クラピアはほかの植物と比較して二酸化炭素の吸収・固定量が高いのも特徴です。こうしたさまざまな能力を持つため、クラピアを活用した砂漠の緑化など、地球規模での環境保護資材として注目されています。ですから、あなたの庭でもクラピアを植え、ガーデニングを楽しむことで、ヒートアイランド抑制やCO2削減など、環境保全への貢献につながります。

「クラピア」は日本生まれの自生種だから安心

刈り込みや除草回数が減らせるとして、川沿いなど公共の場所でもクラピアが利用されています。美しい風景作りにも役立っています。

クラピアは前述したとおり、与那国島のイワダレソウの在来種でタネをつけない改良種です。花は咲きますがタネはつけないので、どこかへ飛んでいって侵食することはありません。一方、イワダレソウとよく似た品種にヒメイワダレソウという外来種があります。ヒメイワダレソウは環境省の外来種リストのなかでも国内の生態系に被害を及ぼすことが懸念される総合対策外来種に指定されています。クラピアの類似品としてヒメイワダレソウが販売されているケースが増えていますので、苗の入手の際にはご確認ください。クラピアはグリーンプロデュース社によって種苗登録された品種で、同社生産の苗のみが「クラピア」です。無断での販売や譲渡、輸出は種苗法に違反しますのでご注意ください。

「クラピア」の育て方

左は、耐寒性があり、葉の色は淡く、花は薄ピンク色が特徴の「クラピアK5」。右は、K5と同様の耐寒性があり、葉の色が濃く、花は白花。花数はクラピアシリーズの中では少なめで、茎が木質化しにくいのが特徴の「クラピアK7」。

●植えどき/4~9月

●植栽前の準備/日当たりの良い場所でよく育ちます。雑草が生えている場合は除草します。土壌が固い場合や真砂土の場合は、土壌改良材などを用いて土壌環境を整え、表層15cm程度を耕します。

●植えつけ/植え穴に元肥を混ぜ、少し深めに定植します。植栽の目安は1㎡に4ポットです。

●植えつけ後の管理/完全に被覆するまでに2カ月程度かかります。植えてから2週間は土が乾いたら水やりをし、植栽内に踏み込まないようにします。その間雑草が生えてきたら抜きます。完全被覆後は適度な踏圧で分枝して密に茂るので、踏んでも大丈夫です。被覆後は地植えの場合、水やりの必要もありません。

●刈り込み/梅雨時と秋の生育旺盛な時期に刈り込みをすることで、枝分かれして葉が増え、緻密なグリーンカーペットを形成します。どこで切っても成長点があるので、高さは気にしなくて大丈夫です。

●施肥/最初の被覆の状態をみて、あまり茂らないような場合には追肥します。肥料が足りていれば通常、2~3年は追肥の必要はありません。葉が黄色くなったり、花が少なくなってきたら肥料が切れてきたサインなので、状態に応じて追肥しましょう。

また、クラピアは水はけの良い土を好みます。水はけの悪い土壌や、水やりが多い場合は根がストレスを受けますのでご注意下さい。

●病虫害/クラピアには特定の病虫害の被害はありませんが、開花期間が長いためチョウやミツバチが飛来します。彼らは特に被害を及ぼすことはありませんし、果樹や野菜の実りに貢献してくれるので、庭のお客さんとしてお迎えしましょう。

「クラピア」を素敵な庭づくりのパートナーに

雑草対策や高温抑止、土壌流出防止効果など、たくさんの機能を持つクラピア。芝生のように広い範囲で使ったり、小道の間に植え込んだり、花壇の土留めに使ったりと、さまざまなシーンで使うことで草取りの労力を減らしてくれます。除草の手間はクラピアで省いて、あなたは好きな花のガーデニングに集中できます。しかも、楽しみながら環境保全にも貢献でき、趣味の庭がより意義深いものに。素敵な庭づくりのパートナーとして、クラピアを庭に迎えてみてはいかがですか。





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記事制作/ガーデンストーリー https://gardenstory.jp

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