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このまま植えても大丈夫?~土のタイプと見分け方 ~

事前準備

クラピアは、本来は植物の生育にあまり適さない土壌を含めて、多様な土壌条件のもとで施工されていますが、旺盛に生長し、より美しいクラピアのお庭を目指される場合は、植物が生育しやすい土づくりは重要なポイントです。

クラピアは、排水性が良く、適度な保水性のある土を好みます。植栽予定地の土の性質を簡単に把握できる、“「排水性」と「保水性」の見極め方”をご紹介しますので、植栽前に確認頂き、必要に応じた改良を行う事でクラピアが生長しやすい環境を整えることができます。

1.「保水性」と「排水性」の見極め方

植栽予定地の土をシャベルで掘り起こし、手のひらに一握り程度の土を乗せてぎゅっと握ってみます。

通常土壌の確認①②

土が乾いていてうまく握れない場合は、手のひらに乗せた土にティースプーン2~3倍分程度の水を足して下さい。土に満遍なく水分が行き渡るよう馴染ませ、適度に保水された状態になったら握って下さい。

通常土の確認③④

②のように握ってみて、③のように固まりができれば「保水性のある土」です。固まりにならず、ボロボロと崩れてしまう場合は保水性が無い土です。

次に、握った土の固まりを指で軽く押しつぶします。④のように崩れれば「排水性のある土」です。崩れにくい場合は粘性のあることから排水性が悪い土と判断します。

2.改良が必要な土壌

「排水性」の良くない粘土質の土壌

粘土質の土壌

「排水性」の良くない粘土質の土壌。粒子が細かく締固められやすいことから、水はけが悪く、地中の酸素も不足しがちなため、クラピアにとっては育ちにくい土壌です。
経年のうちにますます土が締まっていきますので、初年度広がっても年々生育が悪くなることもあります。

湿らせた状態で手のひらで握り、指で押しつぶしても、粘性があるため固まりのまま崩れません。

 

【改良方法】
排水が良くなるよう改良を行います。土厚15㎝に対して20%程度、水はけの良い川砂を入れて全体を混ぜて下さい。

川砂

洗いのかかった「川砂」を使用します。※山砂は粒子が細かく、改良には向きません。

「保水性」の良くない砂質の土壌

砂質の土壌

保水性の良くない砂質の土壌。手のひらで握っても固まりません。
水はけが良すぎることから乾燥しやすく、有機物もほとんど含まれていないためクラピアが生長するのに必要な栄養分を土にとどめておくことができません。
肥料を与えても水分と一緒に流れてしまうため、保水性を高める改良が必要です。

 

【改良方法】
保水性を高めて肥料持ちが良くなるよう改良を行います。土厚15㎝に対して、20%の改良土(花用の園芸用土)を入れて全体を混ぜて下さい。

園芸用土

ホームセンターで市販されている一般的な花用の園芸用土を使用します。ヤシ殻繊維、バーク堆肥、鹿沼土、赤玉土、ピートモス、軽石等がバランスよく配合されています。

 

※「真砂土」について※

真砂土は西日本地域では一般的な土壌で住宅のお庭にも客土されることが多い土ですが、水はけが悪く締め固まりやすいことと、養分が少ないという特徴からクラピアが生育しにくい土壌に該当します。

そのまま植え付けするのではなく「花用の園芸用土」を植栽地全体に混ぜて改良を行って頂くことを推奨しています。

新築のお庭で新たに客土する際には、予め真砂土以外の土(畑土など)をご選択下さい。

 

3.生長に必要な肥料分は大丈夫?肥沃な土とやせた土の見分け方

保水と排水に問題のない土でも、栄養分の少ない土では思うように生育が進みません。土の色で肥料分の多い土か、少ない土かをおおよそ見分けることができますので合わせてご参考下さい。

植付前に、多少の時間と労力、費用をかけて土壌改良してあげると、クラピアもその期待に応えて旺盛に生長してくれます。美しいクラピアのお庭を目指したい方はぜひお試しください。

どんな土が適している?

クラピアを植えるにはどんな土が適している?~上級編~

事前準備

どんな土が適しているか?

これまで300万㎡以上の施工実績があるクラピアは、植物の生育にあまり適さない土壌を含め、多種多様な土壌条件で施工されてきております。生育の良し悪しの差こそ出ますが、旺盛な成長力で生育してきています。
ですから過度に心配せず、あくまで目安、参考として情報をご活用ください。

より美しいクラピアの庭を目指される場合、より病気になりにくい土壌を目指される場合には、少し手間をかけてクラピアに適した土壌に改良してから植えてください。植物は正直です。おかれた環境(土、水、肥料、日照等)に素直に反応します。植物の声なき声を聴いてください。

クラピアが苦手とする土壌

クラピアは粘土など排水の悪い土壌を嫌います。逆に、水分も肥料も蓄えておけない砂土も嫌います。粒子の非常に細かいシルトも嫌います。これはクラピアだけでなく芝にも言えます。
しかし、粘土だけの土、砂だけの土壌、シルトだけの土壌というのもありません。混ざって存在しています。
粘土、砂、シルトの三角座標及び土性区分表をご覧ください。土は現実には色々なものが混ざって存在していますが、大別するとこの表のいずれかに当てはまります。

土性区分表

土性 略号 粘土(%) シルト(%) 砂(%)
重埴士 HC 45~100 0~55 0~55
砂質埴士 SC 25~45 0~25 55~75
軽埴土 LiC 25~45 0~45 10~55
シルト質埴士 SiC 25~45 45~75 0~30
砂質埴壌士 SCL 15~25 0~20 50~85
埴壌土 CL 15~25 20~45 30~65
シルト質埴壌土 SiCL 15~45 45~85 0~40
壌質砂土 LS 0~15 0~15 85~95
砂壌士 SL 0~15 0~35 65~85
壌土 L 0~15 20~45 40~65
シルト質壌士 SiL 0~15 45~100 0~55
砂士 S 0~5 0~15 85~100

(国際土壌学会法による土性区分)

 

 

 

 

実際の土を手に取って、土の状態を確認する方法がありますので参考にしてください。
出典 東急リニューアル(株)福田課長作成資料

クラピアに適した土壌とは?

最も好ましいのは埴壌土、英語でClay Loamですが、それしかダメということではありません。

心配しないでください。

図の赤く塗ったところはクラピアのみならず、殆どの植物の生育に適さない土壌です。それらの不適土壌以外では、基本的にクラピアは生育はできますが、ベストな土の状態ではありません。より良い状態に近づける為、多少の改良をしてあげてください。

粘土、シルトを多く含む土壌は水はけが悪いので、表土15cm厚程度を水はけをよくする改良をしてください。表土15cm厚の1割は1.5cmなので、1㎡当り15リットルの土壌改良剤が必要です。
粘土に対しては川砂や洗砂を1割程度混ぜてください。土壌団粒化剤を活用するのも一案です。
シルトの土壌改良にはホームセンターで売っている花や野菜の土を1割程度混ぜてください。

土壌改良用の”砂”とは川砂のことです。一般的に山砂と呼ばれる砂は純粋な砂ではありません。砂に多くのシルトが混ざった状態です。
山砂を敷き詰めて水を散布すると、しばらく水が引きません。粒子の細かいシルトを多く含んでいるためです。
山砂を洗ってシルト分を減らした洗い山砂を販売している会社もありますが、造園屋さんや土木屋さんに頼むと山からとってきた洗っていない山砂を普通は運んできますので注意が必要です。

満足の行くお庭を作るために

植付から期待通りにクラピアを生長させるには、土壌環境は重要なポイントです。ベストな状態でない場合、植付前に多少の時間と労力、費用をかけて事前に土壌改良することで、クラピアが健全に生育し、出来栄えにも満足いただけるのではないかと思います。

土のタイプと見分け方

個人ユーザー様でも植栽予定地の土の性質を簡単に把握できる、“「排水性」と「保水性」の見極め方”から、改良の目安を掲載しています。クラピアは、排水性が良く、適度な保水性のある土を好みます。クラピアを植える前の土壌確認はこちらの記事も合わせてご参考下さい。

クラピアを植える前にまずは事前除草!

事前準備

事前除草

クラピア植栽予定地は枯らすか、抜くかして、草のない状態へ

クラピア植栽予定地に草が生えている場合は、先ずラウンドアップなどの非選択性除草剤で枯らすか、抜くかして、草のない状態にしてください。宿根草がある場合は、根まで枯らすか根を取ってください。表面を刈っただけでは草はすぐに再生します。

枯草、抜いた草は撤去してください。枯草を残しておくと腐って分解される過程でクラピアの根を痛め病気を引き起こすリスクがあります。
表面に草が無くなった状態でも、雑草の種は多数残っています。
防草シートを併用する場合は後で発芽する種はシートで防げますが、防草シートを併用しない場合は、クラピアを植えた後、種が発芽してきますので、クラピアが被覆するまでの間、小まめに草取りを行ってください。

クラピアは雑草に比べて草丈が低く、雑草の陰になると生育ができなくなります。全面被覆するまでは草取りを行ってください。全面被覆して厚い層を形成すると、光が地面に届かなくなり、芝と比べて他の草の発生を少なくすることができます。

しつこい雑草種子

長期間雑草に覆われていた土地には無数の種子が存在しています。種子は地表面近くにあり、土の中にもあります。何年ものあいだ発芽のチャンスを待っています。地表面にある種子は土壌処理剤で枯らすことができますが、土の中に隠れている種子を枯らせません。
土を掘り返すと地表面に出てきて発芽します。
雑草種子の実態を知ると、すべての種子を枯らすことは難しいことがわかります。
表土を剥いできれいな土に入れ替えたとしても、客土に草の種子が入っていない保証はありません。

防草シートがオススメ!

表土入れ替えの費用、労力を考えると、代わりに防草シートを併用することをお勧めします。弊社が推奨する防草シートは草・種を防ぎクラピアが上を覆うことでシートの存在が見えなくなります。施工も簡単です。

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